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2010年8月20日 (金)

区内の民家スタイルを考える

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このブログで、すでにいくつかの茅葺きの古民家を紹介してきましたが、

それらは、主に関東大震災以前築の民家なので、

海苔付け場があったり、小船が小屋裏に納められていたり、

海浜に建つことから、風避けのための小道具が仕込まれていたり、屋敷林に工夫が見られたりということがありました。

詳しくは、「川崎の民家」小林昌人著などにあり、調査もされ、それらの抜粋なども紹介してきました。

私としましては、その時代以降、つまり震災後から終戦前後あたりの建築にも興味があります。

専業漁業、農業から、兼業へ、、、もしくは企業、国への労働へと、

その生活スタイルが一変する時代に造られたであろう民家。

高度成長期の地域性皆無なメーカー住宅が台頭してくる前の地域の文化が垣間見られるであろう民家。

空襲被害を逃れ、築60~80年といったこうした民家の行く末が心配でもあり、また当時の地元地域の大工の仕事、つまりは、その時代に求められた住まいのスタンダードを知ることができると思うのです。

地図を片手に歩く(自転車で)とまだまだ相当数存在しています。

特に、塩浜や中瀬などには維持管理もしっかり行き届いた、この時代の民家が多く残っているように感じました。

その典型ともいえそうな、いくつかを紹介してみたいと思います。

(個人の方のお住まいですので、写真データは容量を落としています。)

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基本は平屋建て。階高をやや高くとった大屋根は、寄棟か入母屋になっています。

入母屋造りの方が、その規模からも格式が高いように見えます。

大屋根の軒の出は、あまり深くはありません。瓦屋根の重量の関係と、浜風のあおりを考えてのことではないかと思われます。

玄関を1坪あるいは1.5坪、庭側(その多くが南向き)へ飛び出すように張り、入母屋屋根としています。この部分に反りを加えているのも、より格式の高さを表現しているように思います。

その西側に連続するように縁側が配され、下屋で出されています。

ここは、緩勾配で板金葺きとしてあり、軒を深く出しています。

玄関周りは漆喰仕上げ等の左官で仕上られており、全体は、杉下見板張りが基本的なつくりのようです。

Dscf7289_2

それ以前は、玄関は、土間空間を広く確保した農・漁、下ごしらえ空間を兼用したようなオープンな中間領域的空間であったと思います。

しかし、これらのお住まいの玄関は、家の顔(あるじ)としての威厳を見せつつ、外部とのコミュニティは、プライベート空間を奥に配する縁側空間にその役割を大きく移しているように感じます。

マンガ「サザエさん」の住まいのプランに似たスタイルとも言えそうです。

長谷川町子原作の「サザエさん」は、新聞連載開始が昭和21年。戦後まもなくのことです。

この家族の構成や暮らしのスタイルは、当時にしてみれば、新しい家族像、生活スタイルを模索したものとも受け取れます。

今でこそ、なつかしの暮らしという印象を与えますが、きっと、街に暮らす方にとっては、一般的な暮らし、理想的な暮らしの模範のように受け止められていたのかもしれませんね。

そんな暮らしが、この時代の住まいから垣間見れるのがうれしいですね。

Photo

スケッチのお住まいは、私が、川崎まで自転車で行く時、いつも通る道にあります。

上記の写真に紹介したお住まいに比べるととてもコンパクトです。

ところが、もう1年以上くらい雨戸が開けられている様子が見られません。。。

外壁も塗装されていたりと、比較的手入れは行き届いているようでもあるので、なんだかとっても気になります。。。

南東角地にあって、ロケーションも良いので、空き家になっているくらいなら、

事務所に使わせていただけないかな、などとここを通るたび考えています。

もしその場合には、ブロック塀を生垣にしてアプローチにはスロープを設けて、縁側で交流イベントをしたり…などなど、

ついつい妄想がひろがってしまいます。(笑)

駐車場になってしまったり、メーカー住宅などに建て替えられたりしているのを見るのはとってもさみしい思いにかられてしまいます。

まだまだ住めます。しっかり手を入れて永く活用していってほしいものです。

これだけ、エコが大切だといわれているのですから。。。

by S.小野

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