松川ボックス(1971)を見学
先日、都内某所で会議に参加後少し時間が出来たので、
近くにある、宮脇檀さん設計の住宅、松川ボックスを見学へ。
現在はギャラリー等に活用され、内部を体感することができます。
予約しなくてはいけなかったようですが、たまたま空いているとの事で、
入れていただきました。
1971年建築学会作品賞、写真や図面は雑誌などでよく目にしてきました。
重厚なRC造の箱の中に、木軸で空間をつくり出している面白さがあります。
コンパクトで、洞窟の中にいるような安心感を覚えます。
構成はあの「最小限住宅」にも似た感じがしますが、
中庭に面した掃き出し開口は高さを抑えてあり、しっかりと守られている感覚がありました。
障子や襖などの造作が華奢につくられていて、小さな空間においてよりシンプルに現代的な空間演出がなされているように感じました。
なんといってもトップライトが効いていて、各室へ欄間を通してやわらかく明かりを届けてくれています。
ラワン合板など仕上げに用いている素材も決して高価な材を使用しているわけではありません。
近年カーボンニュートラルの考え方で、木を活用しようという動きが活発ですが、
都市型住宅でこうしたRCボックスによる外皮で延焼を防ぎ、室内をふんだんに木を使うっていう考え方と合っているなぁと思ったりもして。
質素でコンパクトなボックス体験はとても楽しい空間体験になりました。
永く維持活用されていくことを願っています。
by S.Ono
最近のコメント